ユーザーマニュアル
Clockworker
4系統のClock Out、アナログクロック入力、USB MIDI、TRS MIDIを備えたEurorack向けマスタークロック/同期モジュールです。
Clockworkerについて
Clockworkerのクロックソース、出力、主要機能の概要です。
Clockworkerは内部テンポで動作するほか、外部アナログクロック、USB MIDI Clock、TRS MIDI Clockに同期できます。選択したタイミングをClock Out A〜Dと、有効にしたMIDI出力へ送ります。
- 個別に設定できる4系統のClock Out
- 30.0〜250.0 BPMの内部テンポ
- 出力ごとの分周、極性、トランスポート設定
- Clock In、Action In、USB MIDI、TRS MIDI
安全上の注意
設置、接続、操作を始める前に、以下の注意事項を確認してください。
法令・保証・知的財産
保証条件、修理方針、製品およびファームウェアに関する権利を記載します。
保証およびサポート
保証期間
Hügelton Instrumentsは、本製品について購入日から1年間、修理受付および保守部材の確保に努めます。ただし、災害、部品供給終了、その他不可抗力により対応できない場合があります。
購入日から1か月以内に、通常の使用状態で発生した故障については、Hügelton Instrumentsの判断により、無償修理、製品交換、または購入代金の返金を行います。
保証対象外
以下の場合は保証対象外となります。
- ユーザーによる改造、分解、修理を行った場合
- 他社製品との互換性または動作仕様に起因する事象
- 本書に記載された使用方法、保守方法、保管方法に従わなかった場合
- 落下、水濡れ、過電圧、誤配線、静電気等による故障
- 購入後1か月を経過した初期不良の申告
- 本製品の使用によって生じた他社製品、ソフトウェア、データ等への損害
修理について
ユーザー自身による修理および部品交換を妨げるものではありません。
ただし、ユーザーによる修理、改造、部品交換、または回路変更を行った製品については、Hügelton Instrumentsは動作保証および保証サービスを提供できません。
知的財産権および著作権
本製品の回路設計、ロゴ、製品デザイン、ドキュメント、製品画像、ファームウェア、ファームウェア内のグラフィック、および関連資料に関する著作権その他の知的財産権は、Hügelton Instrumentsまたは各権利者に帰属します。
法令により認められる場合を除き、Hügelton Instrumentsの許可なく複製、改変、販売、再配布、貸与、公衆送信、公開、または派生物として利用することを禁止します。
ファームウェアについて
ファームウェアの解析、調査、デバッグ、相互運用性の確保、セキュリティ研究、修理、その他法令で認められる目的でのリバースエンジニアリングを妨げるものではありません。
ただし、Hügelton Instrumentsの許可なく、以下の行為を禁止します。
- ファームウェア本体の再配布、販売または公開
- 復元可能なファームウェアイメージの配布
- 解析によって取得した内部データ、シンボル情報、ファームウェアダンプその他の内部実装情報を公開または販売すること
- 本製品のファームウェアまたは著作物を利用した商業サービスまたは製品を提供すること
第三者の権利
本製品を利用する際は、第三者の著作権、商標権、特許権その他の知的財産権を侵害しないようご注意ください。
本製品の利用に起因して第三者との紛争が生じた場合、法令に別段の定めがある場合を除き、Hügelton Instrumentsは責任を負いません。
各部の名称
フロントパネルの端子、ディスプレイ、ダイヤル、各ボタンを確認します。
クロックアウト
Clock Out A〜Dは、それぞれ独立してクロック出力またはトランスポート出力に設定できます。
クロック入力/アクション入力
Clock Inは外部アナログクロックを受けます。Action InはPLAY、STOP、PLAY-STOP、RESETを実行するトリガー入力です。
USBポート
USBポートはUSB 2.0 Type-Cです。USB MIDIとファームウェア更新に使用します。
TRS MIDI IN/OUT
TRS MIDI IN/OUTは、MIDI Clockとトランスポートメッセージを扱います。
ファンクションボタン:SOURCE/CONFIG/PORTS
SOURCE
SOURCEを選択します。
CONFIG
本体、入力、MIDI出力、ファームウェア更新の設定を開きます。
PORTS
Clock Out A〜Dの設定を開きます。押すたびに次のポートへ移動します。
ディスプレイ
TEMPO画面にはBPM、選択中のソース、RUN/STOP状態、A〜D出力の概要を表示します。SOURCE、PORTS、SWING、CONFIGでは、現在変更している設定を表示します。
ダイヤル
ダイヤルの機能は、表示中の画面によって変わります。PORTSでは、押しながら回すとClock Out A〜Dを選択します。
コントロールボタン:PLAY/STOP/TAP
PLAY
内部クロックを開始するか、選択した外部ソースの待機状態にします。
STOP
トランスポートを停止し、出力をアイドル状態へ戻します。
TAP
一定の間隔で押して内部テンポを設定します。
クイックスタート
内部クロック、外部クロック、MIDI Clockを使い始めるための基本手順です。
内部クロックで動かす
Clock Out A 受け側モジュール
Clock In
- ケースの電源を切った状態で、Clock Out Aを受け側モジュールのClock Inへ接続します。
- ケースの電源を入れ、TEMPO画面がSTOP状態で表示されることを確認します。
- SOURCEを押し、ダイヤルでINTERNALを選び、もう一度SOURCEを押して確定します。
- TEMPO画面でダイヤルを回してBPMを設定します。
- PLAYを押します。
外部アナログクロックへ同期する
Clock Out Clockworker
Clock In
- 外部クロック源を停止し、Clock OutをClockworkerのClock Inへ接続します。
- CONFIGでINPUT CLOCK PPQNとINPUT CLOCK POLARITYを送信元に合わせます。
- SOURCEでEXT CLOCKを選択します。
- PLAYを押して待機状態にしてから、外部クロック源を再生します。
MIDI Clockを送る
USB / TRS MIDI OUT DAW/シーケンサー
MIDI IN
- SOURCEをINTERNALにします。
- CONFIGでUSB MIDI OUTまたはTRS MIDI OUTをONにします。
- 受け側機器を外部MIDI Clockへ同期する設定にします。
- PLAYを押すとStartとMIDI Clockを送信し、STOPを押すとStopを送信します。
基本操作
各操作画面におけるディスプレイ表示とダイヤル操作を説明します。
画面ごとの操作
TEMPO
- 回す
- BPMを1単位で変更
- 押す
- SWING画面を開く
- 押しながら回す
- BPMを0.1単位で微調整
SWING
- 回す
- SWING量を50〜75%に設定
- 押す
- TEMPO画面へ戻る
50%はストレートです。SWINGは内部クロックにだけ適用されます。
SOURCE
- 回す
- クロックソースを選択
- 押す
- 決定してTEMPO画面へ戻る
PORTS
- 回す
- 出力内容を選択
- 押す
- 出力極性を反転
- 押しながら回す
- Clock Out A〜Dを選択
CONFIG
- 回す
- 設定項目を選択
- 押す
- 表示中の値を変更
機能
クロックソース、出力ポート、本体動作、保存設定を項目ごとに説明します。
SOURCE
Clockworkerを動作させるタイミングソースを選択します。
ソースを選ぶ
SOURCEを押し、ダイヤルでソースを選び、もう一度SOURCEを押して確定します。ソースを切り替えるとトランスポートは停止します。
| アイコン | 表示 | 動作 |
|---|---|---|
| INTERNAL | Clockworker自身のBPMで動作 | |
| EXT CLOCK | アナログClock Inへ同期 | |
| TRS MIDI | TRS MIDI Clockへ同期 | |
| USB MIDI | USB MIDI Clockへ同期 |
STOP後は、外部クロックだけでは再開しません。もう一度PLAYを押して、選択した外部ソースの待機状態にしてください。
PORTS
Clock Out A〜Dの値と極性を個別に設定します。
Clock Out A〜Dを設定する
PORTSを押すとClock Out Aの設定を開きます。PORTSをもう一度押すか、ダイヤルを押しながら回してA、B、C、Dを選択します。ダイヤルを回して出力内容を選び、押してRISE/FALL極性を切り替えます。
| タイプ | 値 | 用途 | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ANALOG |
|
x1/x2/x4の基本クロック | ||||||||
| SYNC |
|
高解像度の同期クロック | ||||||||
| TRANSPORT |
|
トランスポートゲート/イベントパルス | ||||||||
| POLARITY |
|
RISEはアイドルLOW、FALLはアイドルHIGH |
CONFIG
表示、MIDI出力、入力、ファームウェア更新に関する設定を行います。
CONFIGを押して設定を開閉します。ダイヤルを回して項目を選び、押して表示中の値を変更します。
| アイコン | 項目 | 値 | 内容 |
|---|---|---|---|
| SLEEP | ON / OFF | OLEDスクリーンセーバー | |
| USB MIDI OUT | ON / OFF | USB MIDI Clock/トランスポート出力 | |
| TRS MIDI OUT | ON / OFF | TRS MIDI Clock/トランスポート出力 | |
| INPUT CLOCK PPQN | 1 / 2 / 4 / 6 / 12 / 24 / 48 | Clock Inの分解能 | |
| INPUT CLOCK POLARITY | RISE / FALL | Clock Inで使うエッジ | |
| INPUT ACTION | PLAY / STOP / PLAY-STOP / RESET | Action Inの機能 | |
| INPUT ACTION POLARITY | RISE / FALL | Action Inで使うエッジ | |
| UPDATE | 確定 | ファームウェア更新モードへ移行 |
設定の保存
保存される設定と、設定が書き込まれるタイミングを説明します。
内部BPM、SWING、SOURCE、出力設定、MIDI出力設定、入力設定、Action In、SLEEPを保存します。タイミングを保護するため、トランスポート動作中は設定を書き込みません。STOPを押し、数秒待ってからケースの電源を切ってください。
ファームウェア更新
UPDATEモードを使用し、UF2ファイルからClockworkerを更新します。
UPDATE → 3UF2
ドライブ → 4ファームウェアをコピー
- トランスポートを停止し、データ通信対応のUSB-Cケーブルでコンピューターへ接続します。
- CONFIGでUPDATEを選び、ダイヤルで確定します。
- UF2ドライブが表示されたら、正しいClockworkerの.uf2ファイルをコピーします。
- Clockworkerが再起動するまで待ちます。コピー中はUSBを抜かないでください。
仕様
表示、タイミング、クロック、MIDIに関する主要仕様の一覧です。
| 表示 | 128 × 32 OLED |
|---|---|
| 内部テンポ | 30.0–250.0 BPM |
| 内部分解能 | 96 PPQN |
| クロックソース | INTERNAL / EXT CLOCK / TRS MIDI / USB MIDI |
| Clock In | 1 / 2 / 4 / 6 / 12 / 24 / 48 PPQN, RISE / FALL |
| Clock Out A〜D | ANALOG: 1 / 2 / 4, SYNC: 6 / 12 / 24 / 48 PPQN, TRANSPORT: RUN / START / STOP / RESET |
| 出力極性 | RISE / FALL |
| MIDI Clock | 24 PPQN, F8 / FA / FB / FC |
| MIDI接続 | USB MIDI/TRS MIDI IN/OUT |
トラブルシューティング
クロック、同期、MIDI、USBが期待どおり動作しない場合の確認項目です。
クロックが出ない
- トランスポートが動作中で、正しいSOURCEが選ばれているか確認します。
- 使用するポートがTRANSPORTではなく、ANALOGまたはSYNCになっているか確認します。
- 反応しない場合は、出力極性をもう一方へ切り替えます。
外部同期のテンポが合わない
- INPUT CLOCK PPQNを送信元のクロックレートに合わせます。
- 反応しない場合は、INPUT CLOCK POLARITYをもう一方へ切り替えます。
- ちょうど2倍、半分、4分の1のテンポになる場合は、PPQN不一致を確認します。
USB/TRS MIDIが開始しない
- 接続に合ったUSB MIDIまたはTRS MIDI SOURCEを選択します。
- 送信側がTiming Clockに加えてStartまたはContinueを送っているか確認します。
- MIDI IN/OUTの方向とTRS MIDIケーブルの結線方式を確認します。
USBを認識しない
- 充電専用ではなく、データ通信対応のUSB-Cケーブルを使います。
- 別のUSBポート、またはハブを使わない接続を試します。
- 更新モードでは通常のMIDIデバイスではなく、UF2ドライブとして表示されます。
FAQ
クロックおよび同期動作に関する、よくある質問への回答です。
Clock Outから音は出ますか
いいえ。Clock Outは音声ではなく、タイミングパルスまたはトランスポートゲートを出力します。
MIDIノートで開始できますか
できません。ClockworkerはクロックとトランスポートにMIDIリアルタイムメッセージを使います。
Clock Inだけで自動開始しますか
STOP後は自動開始しません。PLAYを押して外部ソースを待機状態にしてから、クロックパルスを入力してください。
SWINGは外部同期にも効きますか
効きません。SWINGは内部クロックにだけ適用され、外部同期では外部ソースのタイミングに従います。
MIDI Implementation
Clockworkerが送受信するMIDIリアルタイムメッセージの実装情報です。
MIDI Clockとトランスポート
USB MIDIとTRS MIDIは同じリアルタイムメッセージを使います。受信時は対応するSOURCEを選択し、送信時はCONFIGでUSB MIDI OUTまたはTRS MIDI OUTを有効にします。
| メッセージ | Hex | 動作 |
|---|---|---|
| Timing Clock | F8 | 24 PPQNのタイミング |
| Start | FA | 先頭からの開始を待機 |
| Continue | FB | 継続開始を待機 |
| Stop | FC | トランスポート停止 |
ClockworkerはNote、CC、Program Change、Pitch Bend、SysExを使用しません。
付録:他社製品との接続設定
代表的な他社製品との接続で確認した、本体側とClockworker側の設定をまとめています。
実機接続設定
各機種の本体設定と、対応するClockworkerのPORTS設定を組み合わせて使用します。
| 機種 | 本体の設定 | ClockworkerのPORTS設定 |
|---|---|---|
| KORG KPR-77 | 48 Sync | |
| Behringer POLY D | 24 PPQ | |
| Behringer RD-6 | 24 PPQ | |
| KORG minilogue XD | 8th Note |
接続前の確認
- 受け側製品の最新マニュアルで、入力電圧上限と信号形式を確認します。
- 電源投入前に、TS/TRS結線、MIDI変換方式、IN/OUT方向を確認します。
- トランスポートを停止した状態から、表のPORTS設定を使い、中程度のテンポで試します。
- テンポが正確に2倍、半分、4分の1になる場合は、PPQNまたはクロックレートを再確認します。
マニュアル情報
Clockworker ユーザーマニュアル Rev. 1.0・Firmware v1.0.0・2026-07-16
このマニュアルには、対象ファームウェアで確認できた機能だけを記載しています。未確定の製品仕様は記載していません。